日本酒ライターの藤田千恵子さんの本が発売されました。
『美酒の設計』
秋田の『雪の茅舎』を醸す、高橋藤一杜氏について書かれた本です。
藤田さんの文章を読んで、職人さんの世界に憧れを抱く女性は多いのではないかなと思ったりします。
かくいう私もそうでした。(笑)
実際にお酒造りの現場を見せていただくと、地味な地味な作業の連続で微生物相手の忍耐のいる大変な肉体労働なんだとわかります。
「酒造りは人も造る」というのがわかるような気がします。
どんな仕事もそうだけれど華やかな部分はごく一部、後は小さな積み重ねと自分との闘いの毎日だったりします。
高橋杜氏の人となりみたいなものが伝わってくる本でした。
日本酒について書かれた雑誌の記事や本は、蔵元さんをめぐるエピソードとそれにからめてお酒にスター性を持たせようとするような記事が多いです。
日本酒に注目を集めたいという目的のそういう記事もありがたいと思ったりします。
売り手の立場で、そういう記事に助けられたりもしますから・・・
でも、微生物を相手にするお酒造りという仕事の本質にふれて、杜氏という職業について丹念に取材して書かれているこういう本こそ、お酒好きの方ばかりでなくいろんな方に読んでいただきたいなあと思いました。
こういう視点で日本酒を見て下さる書き手の方がいらっしゃることをとても嬉しく思いました。
日本酒を造る現場をずっと見ていると、仕事をするってどういうことなんだろうと考えさせられたり、無言で何かを教えられたと感じたりすることがあります。
未熟者の私は、それを自分の中にフィードバックできないのですけれど・・・
こういう方達がいらっしゃるから、日本酒の世界に惚れこんでしまったのかも・・・
『美酒の設計』はそういうことを思い出させてくれる本でした。
この本を読まれた飲食店さんの店主の方が
「『雪の茅舎』が飲みたくなりました。」
と電話を下さいました。
何だかとても嬉しかったです。
『美酒の設計』
藤田千恵子さんの本です。
ぜひぜひ読んでみてください。
京子