日記バックナンバー

大塚屋

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『生もとのどぶ』19BY2008/03/03

今日は桃の節句。
自分のためにお雛様を飾る年でもないので、すっかり縁遠くなりました。
でも、季節の行事は楽しいので、今夜はちらし寿司でもつくって、白酒でも・・・。

昨晩は大人のための白酒です。

『生もとのどぶ生原酒』19BY 仕込み13号

今年の『生どぶ』はグレープフルーツを、皮ごとまるかじりしたみたいな味わい。
口の中で、柑橘類のほろ苦味と甘味が十分に広がり、味わいもリッチです。
幾重にも織りなす、味の階層を予感させてくれる味幅。
でも、すでに味わいの個性もあります。
しぼりたての「生もと」にありがちな、器だけ決まっていて、味わいはまだ・・・、という、じらされるような感じがしません。
じらされるのも楽しいけれど。(笑)
今年は特におりが多いから?

横綱級『生どぶ』という感じでしょうか?

燗につけてみると、渋みは増すけれど、清涼感もでてきます。
大柄で味幅もありながら、最後にしっかり切れてくれます。
ここまでリッチなお酒だとちょっと切れが心配、と思ったのですが、やっぱりさすが加藤杜氏のお酒でした。


にごり酒がいいなと思うのは、お酒自体が若くてもう少しリッチに旨味を感じたい思う時に、おりがその役割を果たしてくれているとき。
それから、リンゴ酸系のきれいな酸味の強いお酒におりが入っていると、まろやかさがプラスされて美味しいなと思います。

でも完成度の高いお酒は、やっぱり澄み酒で飲みたいなと思ったりもします。

どっちもあるから楽しいのですが・・・。

京子

『肥前蔵心特別純米』2008/03/05

新酒のサンプルをいただきました。

『肥前蔵心特別純米19BY生』です。
西海134号 精米60% 協会9号酵母です。

最近の偏った(自覚しています)自分のきき酒の傾向として、「切れ」の良い酒を好みます。
あとから、花開いてきちんと旨味がのるであろうかという予測もしなくてはいけない・・・
あとから、ダレないお酒であろうかという予測もしなくてはいけない・・・
課題はたくさん与えられているのですが・・・。

たぶん、コンマ何秒の差で、甘味を残すか、そこで切れるか。
そして「切れ」の良いほうを選びがち。
だって、そのほうがたくさん飲めるから。(笑)
だから偏っていると言われます。
この傾向は、新酒生酒でも火入れ熟成酒でも同じ、軽快な吟醸でも旨味のガッツリくるお酒でも同じです。

日本酒度や酸度では判断できない、この「切れ」。
主人にこんな私の感想をいうと、「“切れ”というより、最終的には“さばけのよい”酒が好きなんだよ。」と言われました。
そうか、こういうことを総合的に「さばけが良い」と言うのだな、と思った次第です・・・。

『肥前蔵心特別純米19BY生』

こちらの蔵のお酒の特徴は「さばけの良さ」だと主人は言います。
火入れしたら、少し時間がかかりそうなお酒であることはなんとなく感じます。
ボディもありそうなので、火入れ後がちょっと楽しみなお酒でもあります。

今夜お燗にしてみたいと思います。

京子

お知らせ2008/03/06

「第11回 本格焼酎ルネッサンス in東京」

開催のお知らせです。

毎年開催していたこの会も第11回を迎えます。
うーん、感慨深い。十年ひと昔、ですものね。
継続は力なり・・・、本格焼酎が当たり前のように日々の生活に定着することを願って・・・。

今年は、蔵元の仕込水による「前割(和水)」も楽しんでいただけるように準備をすすめております。
その場で割って飲むより、前割がだんぜん美味しい!
ぜひぜひ会場でも体感していただきたいと思います。


日 時 : 平成20年4月6日(日)
       PM 1:00~4:00

場 所 : こまばエミナース
     東京都目黒区大橋2-19-5
     TEL 03-3485-1411
URL http://www.komaba-eminence.com

参加費 : 3000円

参加蔵元 : 黒木本店 西酒造 佐藤酒造 四谷酒造 大海酒造 佐多宗二商店 朝日酒造 豊永酒造 他 全33蔵

参加チケットをお申し込みの方は
「大塚屋」店舗にても承ります

もしくはFAXにて、「本格焼酎ルネッサンス参加希望」として連絡先も必ず明記してください。折り返しご連絡させていただきます。
大塚屋 FAX 03-3920-2357

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かくし味2008/03/07

春が嫌いになりつつあります。
決算、棚卸、確定申告、頭の痛い仕事ばかり・・・。
お酒造りを見学できるのも3月までだし・・・。

今日は寺田本家さんにお邪魔してきました。
面白かったです、いろんなことが。
今までいろいろ本で読んだことや、造る方に教えていただいたことと全く違うお酒造りの方法もあったりして・・・。
まさに、酒屋万流です・・・。

もうちょっと、頭を整理してから、書きたいと思います。


そんなわけで、久しぶりに料理ネタを。
たいして上手ではないけれど、料理は好きです。
ミートソースを作りました。
いつもは赤ワインとバルサミコとバターを隠し味に使います。
今日は日本酒に合うようなアレンジをと、隠し味を変えてみました。

梅酒、熟成酒、クリームチーズの塩粕漬け、バルサミコです。

小鍋に分けて、3パターンくらいの味付けをしてみました。

梅酒を洋風のお料理(ソースなど)の中に使うと、日本酒に合わせやすくなるように思います。
酒粕もしかり。にごり酒もしかり。

実験しながら料理を作るのは楽しい。
って、この時間に一つでも事務仕事を済ませればいいのに。

ああ・・・・・・・・・。

京子

宿題2008/03/12

日記の更新もできないまま・・・
税理士事務所からの電話も無視したまま・・・
鳥取、島根へ行ってきました。
棚卸?年度末?決算?どうする・・・

宿題がたまったままとうとう夏休み残すところ5日間、でも部活の強化合宿が入っちゃいました~みたいな状態。
あわただしく出発して、失敗の数々・・・。
いろいろご迷惑をかけた方、本当にごめんなさい。


そろそろ酒造期間も終わりに近づきつつあります。
それでも酒造関係の方々はまだまだ忙しい毎日。
合間をぬって案内をして下さった皆様、本当にありがとうございました。


いろんなお蔵にお邪魔して思ったこと。

それぞれ蔵の規模、歴史、考え方は違うのだけれど、皆さんそれぞれの方法で真剣に努力されている。
真摯にお酒造りと向き合っている。

暖冬だった去年と違った意味で、今年の造りも皆さんいろいろと苦労されているようでした。

でも・・・
今年の苦労や努力が、今年の味わいにもなる。
そして、来年にもつながる。
だから醸造酒は面白い。

個性豊かな味わいに期待したいと思います。

もっと日本酒を飲む人が増えるといいな・・・。
日本酒に関心を持つ人が増えるといいな・・・。
あっ、それは私たち酒販店の宿題でした。

日記は、徐々に更新しますね。

今日も試飲会。
宿題は・・・・・・・・・・・。

京子

寺田本家訪問①2008/03/13

3月7日(金)千葉県香取郡にある寺田本家さんにお邪魔してきました。
前回お邪魔したのは主人でしたが、今回は私がお邪魔しました。
一家で二人が別々に・・・、深い意味はありません、仕事の関係上。(笑)

寺田本家さん、何度もお邪魔させていただき、ありがとうございました。
『五人娘』『玄米酒むすひ』『香取』『醍醐のしずく』などを造られているお蔵です。

今回ご一緒したのは
上石神井の居酒屋さん
 『作』またの名を『作三福』のマスター

千葉なのですが、遠かった・・・。
米どころだな・・・と思う風景が続き、花粉症がなおりました。
きっと空気がきれいだから。
こんなところが同じ関東とは思えない。
いいなぁ。


まず、寺田社長にお話を伺いました。
おだやかにゆっくり、ひとつひとつの言葉を選ばれて話す様子は、著書の『発酵道』のイメージ通りの方でした。

それから、お蔵へお邪魔する・・・。
最初から、お手伝いさせていただく気満々な『作』さんマスターと私。
もと、僧侶でいらした藤波良寛杜氏がいろいろと説明をして下さいました。
ちょうど、9割精米の『香取』を仕込んでいらっしゃるところでした。

・お米の蒸し方、時間
 えっ?初めてお聞きする内容でした。
・蒸しあがったお米の冷却の仕方
 放冷機は使うのをやめてしまったそう・・・。
・麹室の温度湿度はどれくらい?
 その答え、その考え方も初めて。
・切り返しのお米の手触り
 90%精米なのに、ほぐれやすい。
・出麹の麹米の様子
 これも本当に9割精米の麹なのかと思うくらい。

これだけ聞いても、お酒造りに詳しくない方にはよくわからないかもしれませんが、少し特殊なことが多いと思っていただければ・・・。
いろいろと驚くことばかりでした。
いままで、「常識」と思っていたお酒造りの概念が崩されていく・・・。
実は最初は「本当にそれでいいのかな?」という疑問を持ちました。
今まで、いろんな方から教わった方法や本で学んだこととは違いすぎるから。

でも、実際にそういう方法で造られて、こんなにも飲み手を惹きつけるお酒になっている。
日本酒がまったく飲めなかったお客様が「この蔵のお酒なら飲めるんですよ。」と仰る、体が欲するお酒になっている。

固定概念を捨てなければ、新しい発見はできないな~としみじみ思った瞬間でした。

つづく・・・

京子

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寺田本家訪問②2008/03/14

寺田本家さんを知ったのは、ほとんど偶然だったように思います。
寺田本家さんがどういう蔵かということを知らずして、お酒とだけ出会ったという感じでしょうか。


出会ったときに、なんだか「気になるお酒・・・」というのがあります。
それは奇をてらったとか、何かがずば抜けて素晴らしいとかそういったことではなくて・・・。
ただ何となく「気になる」。

あとでよく考えてみると、その蔵で初めて新しい杜氏さんが仕込んだお酒だったり、初めて使うお米で仕込んだお酒
だったり・・・。
原因はなんだと言い切ることはできないのだけれど。

寺田本家さんのお酒もそんなお酒でした。


休憩の最中に、藤波杜氏や蔵人さんと少しお話させていただく時間が持てました。
蔵人さんも遠慮がちな方が多くてあまりお話できませんでしたが、穏やかな中に強くこだわるものを持っていらっしゃると感じさせる方たちでした。

藤波杜氏にお米の話を伺いました。

どんな品種のお米を使うか、ということより「はじめに無農薬米ありき」という考えをお持ちのようでした。
そして、自然の造りだった昔の造りはどんな風だったかということに、とてもこだわっておいでのようでした。

これは、酒造業界ではめずらしい考え方だと思います。
どの蔵の方も、酒造好適米にこだわる。
品種ごとにかなり気を使って造りを変えて、その品種のよい個性を引き出すことに力を注ぐ。
酒質を上げるための設備投資にも力を注ぐ。

寺田本家さんの場合は、そういったことを超えて、「ものの生命をいかす、自然であろうとする」という考え方を大切にされるのだと感じました。

藤波杜氏の「蔵ぐせを大切にしたい」という言葉も印象的でした。

まだまだわからないことだらけの寺田本家さんのお酒の
魅力。
また、お邪魔してみたいと思いました。

寺田本家の皆様、ありがとうございました。

京子

吉祥寺にこんなお店2008/03/15

蔵元訪問記の続きを書く前に、ちょっとお知らせ。

燗酒不毛地帯(と、私が勝手にそう思っているだけ)の
吉祥寺に、ちょっとおもしろいお店がオープンしました。

燗酒好き、熟成酒好き、自称変態酒好き
マスターが一人でやっていらっしゃるお店です。


「カイ燗」 (かいかん) 
武蔵野市吉祥寺本町1-25-6 辻ビル2F
0422-21-8474
ロンロンのガード下、「土間土間」の向かい、ソウカイ薬局の角を入ったところ

本当にこの名前をつけると思わなかった。(笑)


日本酒のセレクトをお手伝いしました。
ということは、当然ながらかなり偏った品揃えです。
(責任は感じていますが、マスターの好みも偏っているので、結局どっちもどっちです。)
それはそれで楽しいお店だと思います。
マスターも楽しい方です。

吉祥寺に根付いて欲しい新しいタイプです。
ぜひぜひ、のぞきに行かれてみてください。

京子

弁天娘太田酒造訪問①2008/03/17

3月9日、『弁天娘』の太田酒造さんに伺ってきました。

午後に伺う予定だった『日置桜』の山根社長のご厚意で、太田酒造さんまでご一緒していただきました。
午後からは新宿「松の屋」さんのるみさんも合流。
虎の威を借る何とか・・・、最近、社長や美女の恩恵をさずかる大塚屋です。

太田酒造さんでは、鳥取倉吉の酒販店、山枡酒店の山枡さんに遭遇。
一緒にきき酒をさせていただいて・・・
ふーん、お酒に同じことを感じるのだけれど、山枡さん、その原因までわかる・・・?
さすが人生の「先輩」です。(笑)

好みはちょっと違っていても、山枡さんのお酒の表現の仕方はとても面白いし、いいなと思います。


太田酒造さんのお酒『弁天娘』(字が違うけれど、きちんと表示できません。ごめんなさい)に最初に出会ったのは、ある飲食店さんでした。
「地味なお酒ですよ」と言われて、「そういうの好き」と飲んでみました。

何だろう・・・
すごく素直な味わい
まっすぐに地面から空に向かって伸びる木のような・・・
素朴で清々しい、でも米の旨味がはじけるような何かの勢いを内に内に蓄えているような感じ

はじめてのお酒を飲むときは(でも酔っていない時に限る!)、こういう印象を大切にしたいといつも思っています。
お酒に持った印象は造っている蔵、人に共通すると感じることがとても多いから。

今回訪問させていただいて、やっぱり・・・と思いました。

小さくて暖かくて、家族みんなで力を合わせてがんばっていらっしゃる蔵。
そして、若くて実直で熱意を秘めていると感じさせる杜氏さん。
太田社長のお嬢さん、可愛い!
お酒のイメージそのままの酒蔵さんでした。

つづく・・・

京子

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弁天娘太田酒造訪問②2008/03/19

東京に戻ってから、花粉症がひどいです。
空気のきれいなところに住んでいる人とそうでない人は、この季節ストレスの感じ方が違うよね・・・、などと愚痴りたい気持ちになりがちな今日この頃。
だめですね~、人間できていません。
まあ、東京では猿も花粉症になりますから・・・。
今日もつら~い。


太田酒造さんに伺ったときの、なんとも暖かいふんわりとした気持ち、それからピシッと背筋が伸びる感じ、思い出さなくては。


さて、太田酒造さん訪問の画像です。
麹室でのこの画像は主人が伺ったときのものです。

その下にある画像は、中島杜氏が工夫して麹室を区切って作った「出麹」のときのための棚。
出来上がった麹をいきなり室温におくとよくないといわれているからなのですが、小さい場所を効率よく使うための工夫がいろんなところにされていました。

例えば、お米を蒸す甑の大きさ、酒母や仕込みタンクの大きさなど、通常考えると大きさがちぐはぐで使いにくいと思われるものを、工夫すること、手間をいとわないことで、上手に使いこなしているようにお見受けしました。

太田酒造さんでは、中島杜氏の手作りの工夫が随所にありました。
決して口には出されないのだけれど、その一生懸命な感じは、近くにいるだけで伝わってくる・・・。


「何とか酒質をあげていきたい」
お酒造りに真摯な姿勢を持つ蔵の方なら、当然思われることだと思います。
酵母を変えたり精米歩合をあげたりするような目先のことに頼るのではなく、お酒造りのための基本的な環境を整えていくことに力を注ぐ姿勢。
そういう蔵っていいなあと惹かれます。
蔵というか「人」なんでしょうね。きっと。

こんな努力があって、『弁天娘』になるんだな・・・と思いました。

お客様で『弁天娘』をとても好きな方がいらして・・・。
「なんであんなにきれいなお酒なんでしょうね?いつ飲んでも期待を裏切られることがないお酒なんですよ。」と首をかしげながら仰います。

太田酒造さんのお酒造りの姿勢、お客様にちゃんと伝わっていたんですね。
よかった。(笑)

ご家族の皆様(山枡さんも家族と化していた)と、中島杜氏に見送っていただいて若桜をあとにしました。
何だか、最近私が忘れていたものがそこにあったような感じ・・・。
なんだろうな・・・。

太田社長、太田酒造の皆様、本当にありがとうございました。

京子

日置桜山根酒造訪問2008/03/20

昨年、二回もお邪魔した山根酒造さん。
蔵元訪問記
日記バックナンバー

うちのお店のように、小さい町の小さな酒販店が扱えるお酒の量というのは限りがあります。
オールマイティにいろんなお酒を並べられたら、いろんなお客様にぴったりの好みのお酒を揃えられてよいとは思うのですが・・・
現実的にはまず無理なわけです。

そうするとどうなるか・・・。
店主が好きな銘柄に力を入れる。
当然品揃えは偏る。
まさに最近の大塚屋の傾向なわけです。

でも、それはそれで良いのではないかと思うようになりました。
きっとお客様もそういう(偏った?)好みの方が多く来て下さるのではないかと思うから。(笑)


さて、今年も訪問させていただいた山根酒造さん。
蔵の様子などは端折ります。

今年のお酒の傾向だけご報告。

とにかく渋いです。
「こんなに渋く造って、山根社長~、お酒がかわいくてもったいなくて新酒で売りたくないんですね。」と言いかけて・・・
これは暴言でした。
失礼いたしました。


山根酒造さんのお酒の特徴として「鮮烈できれいな、印象的な酸」が挙げられると、私は勝手に思っています。
今年はそういう傾向が更に進んだように思いました。
こういうお酒が上手に味幅を出しながら、輪郭を崩さずに熟成をしたときの美味しさって本当にいいなと思います。

先代の頃からお米の契約栽培を手掛けて、お米にこだわっていらっしゃる山根社長のお酒。
その個性が仕込タンクごとに表れるように思います。

味幅が出そうな面白いお酒もあって・・・
低精白なのに透明感のあるきれいなお酒もあって・・・
地元の酒造好適米ならではのお酒も気になる・・・
もちろん、まだまだ渋いんですけれど・・・
バラエティ豊かな新酒でした。
出荷がとても楽しみです。


相変わらずいろいろお世話になりました。
山根社長、どうもありがとうございました。

京子

日置桜の渋さについて2008/03/20

なぜか私は新酒の渋さも好き。

主人いわく、「新酒は面白いけれど飲むのは疲れる」のだそうですが、私は渋い新酒も好きだったりします。

こういうことを言うと、たいてい酒造業界の大先輩方は、「まだまだだね」という顔をなさいます。
渋く造られたお酒の本当の旨味を味わうには、やはり熟成が必要だからです。
ごもっとも・・・。

お刺身やお肉がすべて、新しければ美味しいとは限らない、というのとおんなじかもしれませんね。
渋いお酒は熟成させないともったいない。
わかってはいるんだけれど・・・。

なぜだろう?
渋いうちに飲むのも、一つの楽しみ方と思ってしまいます。


山根酒造さんを一緒に訪問した「松の屋」のるみさんが面白いことを言っていました。
「言ってしまえば渋さを感じない酒は、甘っちょろくて飲んでられんですわ。
そんなもん、オンナコドモの飲み物ですわ~」

酒販店の私はここまでは明言できません。(笑)
が、渋さも切れを良くして、食欲をわかせる一要素と思う時もあるのです。

春の苦味野菜とおんなじ。

食べ物に対しては
生で食べる
加熱して(焼く、煮る、揚げる、蒸す、燻す)食べる
発酵させる
漬け込む  などなど

限りない楽しみ方があるのに、お酒の楽しみ方は結構「こうあるべき」みたいに言われます。
新酒の渋さを楽しむと言うと、「やれやれ」という表情をされるのは、なんだか腑に落ちない・・・。

好みはいろいろ・・・、声を大にして言いたいです。

『日置桜』のお酒の渋さがとてもいいなと思う時があります。
これは、『玉栄の60%精米7号酵母仕込』の新酒生原酒です。
当然、渋~い。

日々、渋さのかげに隠れていた味が出てくるのが面白いです。

京子

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オールマイティ『どぶ』2008/03/23

蔵元訪問記島根編を残したまま・・・
お尻に火が付いてきました。

3月は年度末、決算期です。

たまった仕事を目の前にすると、なぜだか冷蔵庫をあけて、料理をしたくなります。
明らかに現実逃避・・・。
「心ここにあらず」なので、メニューに統一性はなく、冷蔵庫にある材料をとりあえず調理する・・・。

オーブンでは焼き豚を作る
牡蠣の季節も終わる前にとクリーム煮にしてみる
白身魚をさっとグリルして、マスタードソースでサラダに
ミキサーでつくねをつくり、野菜と煮びたし
冷奴・・・
海藻サラダ・・・
さすがに、冷蔵庫が空いてきて、はっと我に返る。

ものの見事に統一感も何もない食事となりました・・・。

こんな統一感のないメニューのときの晩酌酒・・・
何がいいのだろう?
生もとのお酒に助けを求めました。

『生もとのどぶ生原酒19BY』
生もとのお酒はどんな料理にも合わせやすいというのが実感です。
お肉も大丈夫、マスタードソースの酸っぱさも大丈夫、クリーム煮なんてばっちりの相性、やっぱりオールマイティだなと思います。


個人的には大好きな生もとのお酒だけど・・・
生もとのお酒をお客様にお勧めするのは、まだまだ難しいなと思うこともよくあります。
「必ず、食べ物と一緒に・・・」
というお願いをするようにしています。
お酒に詳しい方にほど、お勧めしにくいのは、吟醸酒というイメージと違いすぎるからかもしれません。

女性のほうが、生もとのお酒を手放しで喜んで下さるような気がするのは・・・
何故だろう?


上石神井の居酒屋「作」のりえさんが、生もとのお酒の味わいを分析(?)しました。(笑)
りえぞの・今宵も作でひとりごと♪

これを読んで「うん、わかる!」と言って下さるのは女性だろうなーと思います。
りえさん、私もよーくわかります。(笑)

京子

板倉酒造訪問2008/03/26

さて、時間が空いてしまった蔵元訪問の続き。
もう、かれこれ2週間も前のことになります・・・。
時間とともに、訪問した時に鮮明に感じたさまざまなことが記憶の中で薄れていく前に・・・。


島根県出雲市の「天穏」の蔵元、板倉酒造さんに伺ってきました。
実は去年もお邪魔していて、
蔵元訪問記
今年はもう甑も倒れた後の訪問。

なんだか遊びに伺ってしまったみたいな訪問でした。
温かく迎えて下さった板倉社長、長崎杜氏、蔵の方々、蔵人の岡田さん、本当にありがとうございました。

長崎杜氏のお写真、撮り忘れました・・・。
去年の写真です。


さて、まず嬉しいご報告を。

純米酒の仕込み本数が増えました。
これで、きっと品切れすることなくお楽しみいただけます。
絞ったばかりは渋さの目立つお酒ですが、来年あたりからは熟成したものを楽しむことができそうです。

もうひとつ、ご報告を。

今年は、今までとちょっと毛色の変わったお酒もできそうです。
「天穏」らしい?らしくない?
出荷が楽しみ。
新しい「天穏」にも期待です。

『天穏純米にごり』も今年初の試みです。
やっぱり渋いのだけれど、スカッと味切れの良さは「天穏」らしいです。


蔵を訪問させていただいて
麹室には麹はもうない・・・
酒母も普通酒があと1本・・・
蒸しももう当然終わり・・・
長崎杜氏はお出かけになってしまわれた・・・

と、なると・・・
蔵を見学させていただきながら、醪のきき酒と新酒のきき酒。
この、醪のきき酒って私は苦手です。
醪をきいて、お酒を判断するなんて絶対にできません。
ので、パスさせていただく。
と、なると・・・
新酒のきき酒。
3、4種類きいて、うん、美味しい。(笑)

やっぱり、遊びに行かせていただいたようなお蔵訪問でした。


「天穏」の魅力は、きれいな吟味、線が細いながらにしなるような芯のある強い酒質、抜群の味切れの良さにあるように思います。

若い状態で飲むと、切れが強調されて飲み進む。
熟成してくるときれいな吟味がいやみなく穏やかにひろがる。
どんなに熟成しても味が崩れる感じがしない。

お燗にしてお出しすると、日本酒初心者の方から、日本酒をたくさん飲みなれている方まで、どの方にも評判がよいお酒です。

若い蔵人さんの意見も取り入れられて、これからいろいろな変化を見せてくれる楽しみなお蔵です。

板倉酒造さん、本当にありがとうございました。

京子

渋い生原酒2008/03/28

桜が満開です。

それなのに・・・
お花見に行けない。
新着商品の更新もできない。
たくさんの試飲用のお酒で晩酌もできない。

ただひたすら事務仕事に励む日々です。

と、鬱々としていたところにお酒が入荷しました。

あるお酒をお願いしていて、一緒に送って下さるものを「おまかせ」したら・・・
『日置桜』の山根社長、こんなお酒を送って下さいました。

ラベルの裏書

「渋い生原酒です」


・・・・・・・・・・・。(笑)

確かに渋いです。
でも、いいのかな~。

これなら、クレームはきませんね。
でも、その前にどうやってお客様にお勧めしたらよいでしょう。

京子

『杉勇山おろし』2008/03/29

今日はお花見日和でした。

火気厳禁の公園でお酒を燗にするには?という質問を受けて、お客様といろいろ考えてみました。(笑)
お湯のポットにスクリューキャップタイプのお茶の空き缶で、というのが一番実用的な案でした。

うまくいきましたでしょうか?(笑)


さて、山形『杉勇』さんから、入荷を心待ちにしていた『杉勇生もと 山おろしバージョン』が届きました。

「今年は山おろしをやってみます」
と、ご報告をいただいてから、どんな風にお酒が変わるだろう?とずっと気になっておりました。


ここで、ちょっと説明を・・・。

「生もと造り」と一言でいっても、そのやり方は地域、造り手によって千差万別。
「生もと造りの正しいやり方」という定義はまだないようです。

「生もと」という表示の基準もあいまいだなと思うこともあります。


杉勇さんが今年初挑戦された「山おろし」という作業、半切りという桶の中で櫂棒でお米を摺ることをさします。
それに伴って発生する作業で、時間も労力も多くかかります。

一般に、北の方で造られる「生もと」は、お米をドリルのような機械で粉砕(これは正しい表現ではないかもしれません)することで、「山おろし」と同じような効果が得られると考えられ、その手法をとる蔵が多いようです。

「速醸もと」のように人工的に乳酸を添加せず、天然の乳酸菌が取り込まれるのを待てば、「生もと系」酒母ということができるのが今の基準のようです。

ちなみに「山廃もと」は、お米をすり潰さずに、天然の乳酸菌が取り込まれるのを待ちます。

本当の「生もと」って何をさす?
その答えは出来上がったお酒だけが知っている?
それともお酒と向かい合う、飲み手が感じること?

まだ、よくわかりません。
いずれにしても美味しく飲めれば私はいいんです。(笑)


いろいろな工程が違えば結果も違ってくるはず・・・
きっと味わいも変わってくると思う・・・
だから、本当に「山おろし」をしてみたものと、しなかったものを比べてみたい。
『杉勇』の茨木さん、その熱意、とても素敵だなと感じました。

お酒になったものをいただいて・・・
正直、とてもびっくりしました。
今までの『杉勇』に感じたことのない味幅がありました。
キレイな酸で、素朴で素直で飲みやすいお酒、という今までのイメージを変えるような存在感がありました。
これからの変化が楽しみです。
火入れ後の変化も楽しみにしています。

『杉勇』の茨木さんに、お話をいろいろ伺ってみたいと思いました。


伝統的な手法と出来上がったお酒の関係・・・
どれがお酒にとってよい?
本当にそれを感じ取っているのは実際に造っている方たちだけなのでしょうね。

「生もと」のお酒、わからないことだらけ。
興味はつきないです。

京子

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